第1章 目の前の友人は、怖い話を始めた。
えっ?
作り話だと思った理由?
タイキくんが話してた幽霊の女の子の話は作り話だと思っているよ。
事件は実際にあったことだけどさ。
あの河川敷には実際に青い長靴が置いてあるし、過去に女の子も亡くなっているの。
それは事実。
でも、幽霊の話はタイキくんが作ったのかもしれない。
だって、あの河川敷、危ないんだよ?
雨が降ったらすぐに水位が上がって、流されちゃうし。
それに、一人で遊ぶって本当に危険じゃん。
危ない所に行かせないために、一人で外で遊ばせないために、幽霊の話が作られたんだと思うよ。
幽霊自体に害を与えられた話じゃないから、効力は薄いけどさ、「あんな悲惨な事件があった」って話せば、たいていの人はあの河川敷には近付かないよ。
……あ、でも、足の無い女の子が地面を這っているっていうのも、何も知らない状態の人が見たら怖いか。