第9章 ハジメテ ✢R18
震える手で、自宅の鍵を開けた。
雨に濡れた服で、すっかり体が冷えて寒い。
「夢ちゃんごめんね。濡れたまま俺の話聞いてくれたから。」
「ううん。すぐお風呂入れば大丈夫。」
「俺も傘持ってなくてごめん。天気予報とかあんま見ないから。」
脱衣室に直行して、蜂楽の服だけでもすぐ乾燥機かけなきゃ。
あとシャワー浴びて、それから……
それから……
───どうするの、かな。
「お邪魔しまーす♪」
「どうぞ。上がって、早く服脱いで。」
「“脱いで”って夢ちゃん、いきなりヤラシ♡」
「風邪ひくでしょっ!ふざけない!」
「今のは録音案件♪リピートプリーズ♪」
ひとまずタオルを取って、蜂楽に渡した。
タオルで自分の髪を拭くと、思ってたよりも濡れていた。
ビチョビチョになった制服の白いシャツに透ける、水色の下着。
電気の下で見ると、こんなにスケスケだったんだと確認できてかなり恥ずかしい。
「帰りもどーせ濡れちゃうから、乾燥かけなくていいよ。」
上半身裸になった蜂楽が、急に視界に入ってきた。