第6章 たのしいひるやすみ【蜂楽視点】
「夢ちゃーん!お昼一緒に食ーべよっ♪」
GWのデートから一週間が経った。
毎日昼休みに生徒会室に通う俺に、夢ちゃんは応えてくれてる。
今までは昼に来てくれるの週2、3回だったから、
毎日すっげー嬉しい!
そもそも昼寝席のためにこの部屋使わせてもらう
“けいやく”だったけど…
夢ちゃんと過ごす貴重な時間、昼寝なんかするわけない。
あの夜、俺は夢ちゃんに……
“もっとずっと一緒にいて”って伝えた。
ハグ、それからチューまでできてトントン拍子♪
まぁ、まだほっぺにだけど…。
いつも以上にめちゃめちゃ照れてて、耳まで真っ赤になって可愛すぎた夢ちゃんを、俺は忘れないよ。
「おかず交換しよ?はい、あーん。」
「っっ!自分で食べるからっっ!」
「ふたりっきりなんだから、照れないの♪」
一日のうちで最初に夢ちゃんに逢える昼休みが大好き。
夢ちゃんは両親が忙しいから、弁当も自分で作って持ってくる。
嬉しいのは、ここ何日か……
“蜂楽は男子でしょ?良かったらもっと食べて?”
って言って、俺のために余分におかずを持ってきてくれること!
すっげー美味いんだこれが!
そんなことナチュラルにされたら、夢ちゃんに対してこれ以上、自分が保てなくなる。
“ニセ彼氏”の俺のホントの気持ちは、まだヒミツ。
サッカー以外で、夢中になるのって初めてだ。
俺の中にまだ知らない、新しい風が吹いてる。
これが……
“人を好きになる”ってコトなんだよね?