第37章 番外編Ⅰ 意外なヤツ【潔視点】
“今からお前らには身体機能(フィジカル)強化トレーニングをこなしてもらう。
俺がいいって言うまでだ。ゴミ共が。”
───あれは確か、チームV戦の何日か後だった。
一次選考(セレクション)を突破して、
絵心に言い渡された地獄の筋トレ期間が続いていた。
辛い日が何日か続いた、夜の大浴場。
洗い場にいた蜂楽の足首に結ばれたものが
ふと俺の目に入った───。
「蜂楽、お前の足首のってミサンガ?そんなのしてたんだな。」
黄色と白の糸。
水色のマットなガラス?みたいなのがいいアクセントで、なんだかお洒落だ。
「うん。カノジョとおそろなんだ♪」
───え。
コイツ今……“かのじょ”っつった───?
蜂楽から出てきたワードを、消化できる気がしない。
フィジカルトレーニングで疲れ切った俺の聞き間違い…でもないみたいだ。
たった一言で終わった会話で、脳がシャットダウンしかける。
「……はあぁ!!??おまっ、彼女いんの!!??」
「うん。潔、なに驚いてんの?」
「いやいやいや驚くわ!!お前に彼女いるとか思わねーだろ!?だってお前…子供っぽいじゃん…!!」
「にゃはは!それは否定しないけどね!でも俺だって華の17歳だよ?恋愛くらいするお年頃っしょ♪」
“くらい”って……なんだよそれ……
素直にめっっちゃ羨ましい……!!!!