第36章 蜂蜜の愛
「私はね、大学でデザインの勉強して、ロゴデザイナーになりたい。
いつか廻が所属するチームのも、日本代表のも!
廻のサッカー人生を楽しくするような、デザインがしたい…!」
廻のサッカー人生をもっと豊かにしたい。
廻のサッカー人生を一緒に生きていたい。
ミサンガの糸が切れる時には、
同じ道でバッタリ会えるような気がするから。
そしたらまた、この黄色と白色の糸みたいに……
交わればいいんだよね。
「いいねいいね!楽しくなってきた♪」
「うん!」
託し託された、お互いの夢。
それぞれの“個性(シーグラス)”を纏って、
お揃いのミサンガはこれからも足首に結ばれる。
「よし。そろそろ起きてみる…。」
「だいじょーぶ?」
「遅刻しちゃうよ?」
激しい行為の反動で痛む体をなんとか起こす。
眼の覚めるような極彩色のファブリックが、背中を押してくれてる気がする。
「おねーさん?蜂蜜コーヒープリーズ♪」
立ち上がった私の腰を支えて、距離を詰める蜂楽。
「お支払い方法は、唇でよろしいですか?」
黄色の襟足に指を通して、首に絡みつき唇を奪った。
口付けては離れ、口付けては離れを繰り返す。
最後の一回が決められなくて……
せっかく起こせた体は、すんなり部屋から出られない。