第36章 蜂蜜の愛
「夢砕くようだけど、たぶん無いと思うよ?」
「なんで!?なんで判んの!?女体の神秘?神のお告げ?」
「生理終わったばっかりだから。排卵とズレる。」
「あぁー、そーだったよね…え、なんか急にリアル。スピリチュアル的な展開期待してたわ♪」
「廻は幻想抱きすぎ。女はみんなそんなもんだよ。」
横向き寝していると、プレゼントされたネックレスの満月が胸元でコロンと転がる。
コンビニから帰ってから
嬉しくて何度も鏡に映した“お月様”。
蜂楽は私のことを“お月様”みたいって言うけど
あなたがいない間は、この円の形を
“太陽(めぐる)”に見立てて身に着けててもいい?
“新しい‘束縛の糸’。気に入ってくれた?”
だってこれは“束縛の糸”なんでしょ?
不自由だった心は解き放たれても、
あなたから解放される気は毛頭ないから。
もし、帰りが遅くなっても……
ずっとあなたの家で待ってるから。
永遠に私を、廻の心に縛り付けたい。
そういう意味も……あるんでしょ───?
「夢のドライなトコ可愛い。はぁっ…コーフンしてきた…♡」
「ちょっ…!?やだ、なにっ…!?」
突如、爪先にヌルっとした感触。
物思いに耽っている間に、いつの間にか移動していた蜂楽が足指に舌を這わせていた。
「なにしてっ…!汚い、からぁ…あっ…」
「夢に汚いトコなんかひとつもないっしょ。案外感じちゃう…?レロ♡」
「ひぁっ…!バカぁ…もうっホント…バカぁ…!」
「ボキャブラ崩壊♪爪先、冷たいね。」
抵抗なく足指をペロペロ舐め、ミサンガを触られる。