第34章 ラスボス【蜂楽視点】 ✢
「……ねぇ廻。蜂蜜ベタベタ。」
夢ちゃんの胸元に残った蜂蜜が、俺のシャツをベッタリ貼り付けてる。
蜂蜜の甘くて温かい香りが、プレイの時をもっかい思い起こさせる。
「夢、今夜はずっと一緒だよ。」
「……ん。」
「だからシャワー、一緒に浴びよ?」
「……ん。」
「ありゃ、今日は積極的…♪」
いっぱい“破壊”したゴムの後始末もしないで直行。
夢ちゃんは俺のシャツを羽織ったまま、温かいシャワーを浴び始める。
「にゃはは。シャツびちょびちょにしてエロい♡
なんそれ、洗濯してんの?それとも誘ってんの?」
「両方…かな。」
「どんだけサカってんの?」
「……廻もでしょ?」
顔を向け合って、お互いのカラダを泡でゆっくり洗い合う。
ヌルヌルの触り心地、触られ心地。
胸の性感帯を通る、キミのいじわるな指先。
こんなんまた……始まっちゃうって。
「……ねぇ、夢。」
「なに?」
濡れ髪の夢ちゃんは、俺をまっすぐ見る。
わざと濡らしたシャツでスッケスケに透けるハダカは、エロス極まれり。
「もう、ゴムないんだよ?」
こっから先はもう───戻れないよ?
「知ってる。」
夢ちゃんは真顔で、静かに言った。
胸元に光る“お月様”の優しい月光みたいに……
静かに静かに言った───。