第32章 ディストラクション ✢
「……俺の部屋でヤろ?」
愛の印を刻む気なのが判る、首に感じたちょっぴり強めな吸引。
最後に髪をかき上げられて、こめかみをチュウッと吸われる。
「ん……いいよ?」
明日から帰らない、その部屋の主。
前にそこで自慰をしたことは、秘密にしておこう。
今日は“ホンモノ”の愛を
骨の髄まで感じられるから───。
「ぁんっ、ん、ぅ…あ、めぅ、るっ…♡」
「夢っ、おしり波打ってエっロ…全部エロいよ♡
バック、動きやすい、しっ…!」
「ん、ぁ…そこ、突くのっ、きもひっ…へぁっ…♡」
「顔…出来上がってきたね。もっとよく見せて…?
今日はキンタマすっからかんになるまで、抱くからねえっ…♡」
片手で胸を揉まれて、片手で腕を引っ張られて…
深く激しく、後ろから腰を打ち付けられる。
ベッドのヘッドボードに置かれたサッカー選手のフィギュアと一緒に、視界がグラグラ揺れる。
「は、ゃうぅ…ああっ、あんっ…♡」
「へへっ。俺でこんなに、感じてくれてる…♡」
繋がる度にひとつずつ…“RPG”の筋書き通りに……
“鉄の首輪”は、破壊されていく。
壊したくなる衝動が、呼び起こされる。
私の中に秘められていた“破壊”の本能。
あなたが私のしがらみを壊してくれるなら……
私は“主人公(めぐる)”に、なにをすればいい───?