第32章 ディストラクション ✢
「もっ、ムリぃ…!イクの、ガマンできないっ…♡」
「ひゃ、あ…!あ、あ、廻…ぅぎゅっ…♡」
「まだっ…第2ラウンド、だねっ…♡」
「あ、あっ、んぅぅ…!はぁっ、はあ…♡」
「あー、イク…イっクぅ♡はぁっ、は、あー…♡」
腰の動きが止まるのと同時に、ナカで蜂楽の裏側がドクンと脈打つのを感じた。
薄い膜の中に、白い欲望が注がれる感触。
「はぁ、はあっ……夢……んっ♡」
「は、ぁん……廻ぅ……私、幸せ……」
正常位で繋がったまま、ゆっくり言葉を交わす。
キスしたり、髪を指に通したり、首筋を食んだり。
興奮冷めやらぬままで、少し荒々しく…。
「俺もだよ♪夢と出逢えて、夢とこんなに愛し合えて、夢とキモチが通じ合えて…」
「それ、私が言おうとした…」
「まだ続きあるよ。」
シーとでも言いたげに、私の唇に人差し指を当てる。
「夢の心を取り戻せて、俺は幸せ。」
───私は……ひとりぼっちだった。
気持ちを、感情を、エゴを圧し殺して……
ひとりで生きてきた。
周りが望むような、いい子であり続けようとした。
“イエス”という言葉で自分を誤魔化し、
“ノー”という思想に蓋をしてきた。
自分をも欺く私には、大切な人なんていなかった。
色を失くした……
“鉄の首輪”で繋がれた私には───。