第32章 ディストラクション ✢
「もう……イイでしょ?」
「っ、せっかち。廻ってすーぐ見せてくるよね…。」
「夢の照れ反応、好きなんだもん♪俺ってお子ちゃまだから、つい好きな子イジりたくなっちゃうんだよね♡」
我慢しきれないで溢れてきた液体が、先端の小さい窪みに透明な水溜りを作ってて……
ニヤリとしたその挑発顔も、卑猥すぎる。
「……廻、ちょっと待ってて……?」
自分の荷物の中から、小さいポーチを取った。
“トラウマ”以降、毎日使う学校のリュックに忍ばせながらも、目に触れないようにしてきた“呪縛”。
産科医の両親が私に携帯することを強制した、
ずっと心の自由を縛り付けていた“あの”避妊具だ。
パッケージの箱とかが無いままで5個。
たぶん母が勤務先から貰ってきたもの。
なんとなく性教育用のサンプル品のように見える。
「あぁ…♡はやくぅ、着けてぇ?」
「もぉ…甘えん坊さん。」
「ハジメテはぁ、おねえさまに教えてほしーの♡」
目の前で膝立ちして、腰を揺らしてねだられる。
視覚からの刺激は勿論だけど、モロに感じる雄のにおいが嗅覚をも襲う。
「こうやって、巻き下ろして…って、超きっつい。ゴム、ギッチギチ…。」
「んじゃ俺ってやっぱデカいんだ…なんか嬉し。」
キツキツのゴムを根本まで下げると、人工物の中に空気もなく入った密度の濃すぎるナマの蜂楽。
生唾が口に溢れて……緊張と興奮が絡み合う。
「っ、廻…着けた、よ。」
「はぁ…夢っ、挿入れちゃう、ね?お手柔らかプリーズ…♡」
蜂楽は勝手に、私の服と下着を全部取り払った。