第31章 契約破棄
「俺達、いつから“ホンモノ”になれるかな?」
ひとまず、まだ“コト”は済ませてない。
私が蜂楽家に戻ってからは、相変わらず
“本番未満”の行為は毎日のようにしてるけど。
「合格発表まで……我慢できる?」
やっぱり、合格を確認してからそうなりたい。
蜂楽が尊重してくれた優しさを、今まで貫いた我慢を、無下にしたくないから。
腕枕してくれてる蜂楽の腕に、唇で触れた。
「夢ちゃんのためなら、なんだってできる。」
慈愛を含んだキスが、額に落ちた。
「俺達さ、よく耐えてるよね♪」
「そだね。ありがとう、廻のお陰。」
蜂楽のうるツヤな髪に、指を通して撫でる。
「俺さ、夢ちゃんとの子供は、サッカーチーム作れるくらいは欲しいな♡」
「ありきたりだなぁ。ていうか現実無理だよ!殺す気?」
「プロポーズのつもりだったんだけど。」
「え、プロ……!?大事なプロセスいくつ飛ばした!?」
「またするから♡キュンキュンする覚悟しといてね?」
蜂楽の手が、頬に触れる。
突っ込みどころ満載なのに、不覚にも熱を持ってしまったことに……気付かれちゃう。