第26章 いけないこと ✢
10月に入り、徐々に気候は涼しく変わる。
9月末あたりから自室で寝られるようになって、
気付けば蜂楽と全然交わっていない。
“娘もっ、ヤりまくりってコトか。
親子揃って、しょーもねぇ淫乱なこって…!”
母の不倫相手の汚い言葉が、一ヶ月間ループしてる。
本当は交わりたいのに……それが胸につかえる。
「ん……廻、廻、めぐるぅ……」
寝る前の布団の中で、何度も自慰をした。
朝の登校と、部活終わりには“K.K.”に迎えに来てくれるルーティン。
昼休みと、バイトに向かう時は別々だけど。
可能な限り私と一緒にいてくれる優しさは……
二学期も変わらない。
『毎日美味しいお弁当ありがとね♪夢ちゃん!』
『優が褒めてたよ。夢ちゃん、どんどん絵が上手になるって!』
『生徒会長おつかれ♪制服のバッジ外したんだね!』
『今日は試合きてくれてありがと!俺のヤッバいドリブル見た!?』
最近くれた言葉を
あの丸くて耳障りのいい声で再生して…
自分で描いた“一日一顔”を眺めて…
疲れた心と体を慰める。
優しいあなたを、狂う程に愛してるよ。
「……ああっ……!」