第25章 渋みのミルクティー ✢
「糖分、足りてるか?」
ティーカップのソーサーに、お洒落な包み紙のチョコレートがふたつ置かれた。
それを見ただけで、蜂楽に口移しされた昨日のチョコの甘さが……
どうしてか、口の中に蘇る。
「……マスター。聞いて、くれますか……?」
───私、何してるんだろ……?
「……そりゃ辛いな。」
無骨で大きな大人の手に頭を撫でられながら…
落ち着いた低い声に安心して涙を流しながら…
さっき見てしまった“禁忌”を口が勝手に話してしまう。
この人になら……って、思えてしまう───。
一旦家に戻ると言って一向に戻らず、スマホの応答もない私を心配して“K.K.”に来た蜂楽。
あなたが窓の外から、この光景を見ていたことに
この時の私はまだ、気付いていない───。