第19章 お守りみっつ
短時間に芽生えた色々な感情が、複雑に絡み合う。
いつか見た、瞳孔が開いた黒い眼。
“かいぶつ”のことを、話した時の眼。
蝶野くんとのキスを見た時、蜂楽の中にもたぶん
“かいぶつ”が舞い降りていた。
“かいぶつ”蜂楽には、恐怖も感じた。
もともと男子には、苦手意識があったし。
“おそろのミサンガは‘俺色の首輪’のつもりだったんだけど。
もっともっと、強く束縛されたいみたいだね。”
でも恐怖以上に、束縛し合う関係を匂わされ
歪な快感を感じてしまって…
その時の蜂楽が“雄”剥き出しで、すごく妖艶で。
文化祭という状況でのリスキーな行為。
そのアンモラルに
信じられないくらい興奮してしまって…
その上、今日こそ最後まで抱かれたかったなんて
バカなこと思っちゃって…。
私の中の“かいぶつ”が言ってる気がする。
“もっとのめり込め、執着しろ、狂え。”って。
……私、ヤバすぎる。