第17章 独占欲
本当に本当に、濃すぎる一週間だった。
一年くらい経ったんじゃないかって錯覚する程。
忘れたくないことばかりだった。
試合のあった日曜日から、昨日の日曜日まで
目眩がしそうな程の……刺激と感情の波。
優さんからの住み込みアシスタントの話もそのひとつ。
自分の気持ちに100%従うなら、答えは“やる”で決まってる。
でもこれ以上、蜂楽に依存しすぎてしまうことに
先行き見えない不安も感じる。
ふたりの足首に結ばれた世界に一対しかないお揃いのミサンガが、靴下の表面に小さい凹凸を作っている。
これが蜂楽の“足かせ”に……なり得る怖さ。
「夢ちゃん、おはよ♪」
尾行が心配だからと、朝も一緒に登校してくれることになった蜂楽。
一緒にいられる時間が更に増えるのは、素直に嬉しいけど。
「廻、ごめん。朝は手繋ぐのやめよ?」
「えー。見せつけてやりゃいーのに。」
「一応、生徒会長だしさ。」
人目が多い登校時は、あまり目立ちたくないというのが本音。
下校時のように恋人繋ぎしようとした蜂楽は、不服そうに手を頭の後ろで組んだ。
そもそも、尾行の犯人をひるませるための“彼氏役”だったけど。
その人自身“蜜浦 夢の彼氏”の存在は……
とうに知っている気がする。