第16章 依存の入口
「……廻、できないから。」
「ならコッチが先。」
「あっ。」
メガネを奪われ、首筋に吸い付かれ……
いやらしく、わざとチュッチュッと音を立てられる。
脚の間に入れた私をホールドした蜂楽が言った。
「キスマ薄くなったって、昨日言ったっしょ?
もっかい夢ちゃんの独占マーク…して?」
「ん、んっ……廻ぅ……」
「夢ちゃんだってえっちな気分なんでしょ?
ホントは俺と最後までセックスしたくてたまらないんでしょ?」
後ろを振り返れば、そのまま始まるのは判ってる。
「夢ちゃんが何かに一生懸命だと、ついちょっかい出したくなっちゃう♡」
「……バカ。」
後ろに身を委ねて、蜂楽の喉仏に吸い付いた。
私の独占欲(しるし)を、しっかりと刻むために。
「っっ、夢ちゃあん……♡」
───弱い私は、蜂楽がいないと生きていけない。
どんどん依存していく自分が怖いのに……
それでも蜂楽と一緒にいること以上に
幸福なことなんて存在しない。
自分の気持ちに正直に生きることが
こんなにも強い葛藤を生み出すなんて……
私は知らなかった───。