第2章 絶望と孤独
政宗「気持ちは分かるが、そんなに泣くな…俺なんか戦場でいくつもの命を奪ってきた」
桜「大義あっての事でしょう。。。政宗様とは違います」
政宗「主君を守るのは大義であろう。秀吉が死んでいたらお前はどうする?」
桜「自分を許せないでしょう…」
政宗「であれば胸を張れ。秀吉は現に生きているしお前を信頼している。」
桜「はい」
政宗「よし、じゃぁ今日は寝ろ」
桜「政宗様」
政宗「なんだ?」
桜「卑しい身分の私がこの城にいること自体、政宗様と同じ空間にいる事自体、本来はおかしなことだと思います」
政宗「出所は関係ない。秀吉が目をかけているからな。頼まれた以上大事にせんわけにはいかん」
桜「そうではありません。私の気持ちを聞いてください」
政宗「…。」
桜「私は政宗様をお慕いしております」
政宗「な…?」
なぜそんな事を伝えたのか、人を殺めて気持ちが高ぶったのか?
桜「今宵一晩で良いので私を抱きしめては頂けませんか?」
どうかお願いしますと頭を下げた。
政宗「…俺は・・・いいけど、お前。」
桜「今日だけは桜と…名前を読んで頂けませんか?」
政宗「さくら…はぁ…」
深いため息が落ちてきた。
呆れられている。こんな身分で政宗様に懇願して、何様のつもりかと思われているのだろう。
城に来て1年半初めて泣いた目を赤くして政宗を見つめると
桜「好きです」
と思わずまっすぐ本音がこぼれた。
政宗「さくら。待て。抱いてやるから。死ぬなよ。それだけは約束してくれ」
人を殺した重みで自分ももう死のうとさえ無意識で考えていたのかもしれない。政宗はそれを見抜いた。
政宗はその後、面倒くさいそぶりも見せず心配そうな目であやすように抱きすくめた。
自分から誘っておいて、初めて好きな男性との閨にどのようにしたら接して触れて良いか振る舞いも分からず呆然としていると、政宗がリードして腰ひもを解き、血が付いた着物も襦袢も剥ぎ取り、耳元に息を吹きかけた。
「はぁ…んっ」
「さくら…おいで。」
愛しい人の声に反応し、死にそうになる。