第11章 可惜夜✿
「はふ……っ、はぁ……は……っ」
「本番前に意識トばしたらお仕置きな」
「……っは、あ……だいじょ、ぶです」
「自分だけ満足してますーって顔してんなよ」
五条先輩は、汗で張り付いた私の前髪を指でどかしながら微笑んだ。
目尻が下がる笑みが、妙に色っぽくてドキドキする。本能で発情しているのか、お腹の奥が疼いてたまらなかった。
さっきまで、ただの先輩と後輩だったのに。
私達の関係は、どんどんいけない方向へと転がっていく。もう引き返せないところまで来てしまっている。
傑お兄ちゃんには絶対に言えない背徳感が体を侵食し、私を大胆な行動へと駆り立てる。
「……私も、したい……です」
五条先輩の首元から鎖骨を撫でるように手を滑らす。
浴衣の上からでもわかるほど膨張した彼の下半身に触れると、そこはもう布を押し上げて硬くなっていた。
恐る恐るそれに手を這わせ、形を確かめるように手のひらで包んで上下に動かすと、五条先輩が息を詰めるのがわかった。
「……っ、ゆめ」
余裕のない声が聞こえて、背中にぞくぞくとした感覚が走った。息の荒い五条先輩が自ら浴衣の帯を外すと、合わせ目がはらりとはだける。
「五条先輩の腹筋、きれい」
露わになった肌に触れると、汗ばんでしっとりとしていた。みぞおちあたりから指先を滑らせて胸に触れる。
程よく鍛えられた筋肉に触れ、均整の取れた肉体美に思わず見惚れてしまうほどだった。
「なら、お言葉に甘えてやってもらおうか」
そう言った五条先輩が、自身のボクサーパンツに手をかけた。その瞬間、ぶるんっと勢いよく飛び出してきた性器が手に当たり、思わず息を飲む。
「……っ……あ、すごい……」
傑お兄ちゃんと比べるような無粋なことはしないが、私の中に入るだろうかと心配になる凶悪さは持ち合わせている。
驚きながらも、そっと手を伸ばす。
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