• テキストサイズ

婚外恋愛

第6章 逢瀬その6



「何で、こんなに可愛い子を抱かないのかな?旦那は…」
「わかりません…」

美智は中嶋に抱かれながらも夫、龍一の事を考えていた。
なぜ、龍一の事を考えてしまうのか自分でも分からなかった。

時刻は朝の4時を時計は指していた。
美智は突然ベッドから起きだすと身支度を整えて中嶋にこう言った。

「今日はご馳走様でした。ありがとうございます。私、帰ります…」
「どうやって帰るんだ?」

「タクシー拾って帰ります…」

そう言うと中嶋をひとり残して部屋を出ていった。
そして、大通りに出るとタクシーを拾った。

横浜の自宅には朝の5時頃に着いた。

タクシーを降りマンションの扉に付くとバッグから鍵を出し部屋の鍵を開けようとした時だった。

玄関の鍵が開いているのだ。
もしや、龍一が帰ってきているのではないかと美智は思っていた。

玄関に入ると龍一の靴があった。
美智は内心とても焦っていた。

リビングに入り、バッグを置く。
すると、書斎から龍一が出てきたのだ。

「美智、こんな時間までどこに行ってたんだ?心配したんだぞ…」
「ご、ごめんなさい。優子と一緒に六本木のクラブに行ってたの…」

「それで、また朝帰りか?」
「ご、ごめんなさい…」

龍一は深くため息をつきこう言った。

「仕方ないな…コーヒー淹れてくれないか…」
「わかった…」

美智は焦りながらもコーヒーの豆を挽きドリップで落としていった。
部屋にはコーヒーの良い香りが漂っていた。

この一件があってから、美智は中嶋とは二度と会わなかったのである。

/ 97ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp