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【夏目友人帳】海底の三日月

第1章 邂逅


何が起こったのかわからず、戸惑っていると左手が急に下に引っ張られた。
見ると、左手に握った弓の端をさやぎが掴んでいた。
「… Regen … auf…」
声をかけようとした瞬間、彼女は何かつぶやいて弓を掴んだまま倒れてしまった。
日本語ではなかったのか単に聞き取れなかったのか、何と言ったのかはわからなかった。

「完全に封印されているようですが、滅したわけではなかったのですか?」
部下の1人が壺を持ってきた。
「滅する前に勝手に壺に入っていった。彼女の力が関係しているのか、何なのか…」
翼はすでに消えているが、雨上がりの水たまりに2枚だけ白い羽が浮いていた。
水面に映った虹の両端に1枚ずつ浮いた真っ白な羽は、拾おうとしたら溶けるように消えてしまった。
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