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-Short Dream Story Collection-

第1章 【呪術廻戦 合同リレー夢】「思い出は薄氷の上に」夏油傑




そう考えて今度はぐるりと部屋を見る。


見たことのない天井には古風な照明、窓の形は普通の家とは異なっており、調度品もこれまた特殊な意匠が施されている。


……ここはどこなんだろう?

小さな女の子達がいるけど普通の家ではなさそう。


思案しているとガチャリと扉が開き、先程の茶髪の子と袈裟姿の男性が入ってきた。


「目が覚めたと聞いてね、気分はどうだい?」


穏やかに微笑んでいる男性はこれまた穏やかな声色で尋ねてくる。


「あの、私、っ!」

とりあえず何故自分がここに寝ていたのか尋ねようと思い、起きあがろうとしたら肩から腕にかけて鋭い痛みが走り、短く息を呑んだ。

「無理に起き上がらない方がいい。両肩、両腕に裂傷と右足首を捻挫しているんだ。処置はしてあるけれど動くと痛むだろう」

寝たままでいいよ、と促され、再びベッドに戻る。

「君は呪霊に襲われて気を失っていてね、私がその呪霊を取り込んで吐き出させた」


ジュレイって何だろう?
取り込むって?

それに吐き出させたってことは、つまり私は食べられていたということ?

私、食べられた状態でも生きていたの?


脳内に疑問が溢れてくるが、不思議と彼が嘘をついていないことだけは明確に分かった。

何から聞けばいいのか迷い黙っていると、予想外の言葉が降ってくる。


「……しかし、こんな所で再会するとは思ってなかったよ。久しぶりだね、さん」


……え?


嘘ではないと感じるのに、その言葉には決定的な違和感がある。

疑問はすぐに口からこぼれ出ていた。


「えっと……さんって誰ですか?」

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