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僕の妹~千尋~

第11章 まゆみ



僕はどう答えて良いのか分からなかった。
でも、間違いなくまゆみは驚きと怒りでいっぱいの表情をしている。

「で、千尋ちゃんとはもう寝たの!?」

僕はその質問に答えられなかった。
まゆみの怒りと驚きは頂点に達していた様だった。

「汚らしい!!汚らわしいわ!!あなた達、兄妹じゃない!!信じられない!!」

そうまゆみは言い捨てると席を立ち1階へと足早に歩いて行った。
僕は、周囲からの視線をモロに浴びていた。

「なんなの?兄妹でどうのこうのって?」
「兄妹で寝たって?汚らわしいわ…」

そんなヒソヒソ話しが僕の所まで聞こえてくる。
僕のカフェラテは冷めきっていた。

その冷めきったカフェラテを一口飲んだ。
そのカフェラテはとても、苦い味がした。

僕は、トレーを片づけると1階に降りて駅へと向かった。
まゆみの為にも正直に話して良かったのだと僕は思っていた。

僕はぼんやりしながら電車に乗り、千尋が待つマンションへと帰っていた。
マンションのドアを開けると千尋が出迎えてくれる。

「おかえり」
「ただいま…」

「お兄ちゃん、大丈夫?何だか変だよ?」
「あぁ、大丈夫さ…」

そうは言ったものの、僕はそんなに大丈夫ではなかった。

僕は部屋に上がり、リビングへと向かった。
千尋も心配そうについてくる。

リビングの窓の外を見ると、今にも泣きだしそうな空が広がっていた。
僕の心の中と同じだと思った。

きっと、今、まゆみは驚きと怒りと絶望感で泣いているだろうと、思ったのだ。
暫くすると、雨が激しく降りだした。

この季節には珍しい雨だと僕は思ってそれを眺めていた。

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