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歌の深み[srmf]

第1章 ソーダ海の味


「ねぇそらる〜、涙ってなんでしょっぱいんだろね?」
「え?」
 またまふの不思議発言が始まった。俺は半分驚きながら、そんな不思議発言がいつもあんな歌詞を作り上げているのだろうと思うと尊敬の念も浮かびつつ、まふまふにはバレないように俺は冷静に受け答えた。
「さぁ? 調べたら分かるんじゃない」
 涙はしょっぱいものであって、そんなことに疑問を持つことなんて全く思いつかなかった。まふまふの待っていた答えがそんなことではないと分かっていながら、俺はそれ以上に合っている回答も思いつかないまま適当に答えた。
「ですよねぇ」
 気だるそうに答えるまふまふの片手にはスマホがあるものの何か調べている様子はない。ちらりと覗くと真っ白なメモ帳があって、今は歌詞を考えているんだと俺は思った。
 俺たちはこうしてシェアハウスをしている。お互い男だし気を遣わなくてもいいし、別にどこかの誰かが騒ぐような恋愛絡みでもない。ただ、利害一致関係で一緒に暮らす俺の友でもあり仲間である彼は、少し……いや、かなり変わり者であった。
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