第13章 day10 morning ホークス
相澤side
「ヒーリングガール発見!!後に保護!!」
待機場所となった寮の中
部屋に駆け込んできた警察官が安堵に声を震わせながら叫んだ
それは外もすっかり明るくなった翌日のことだった
「ホークスにより発見、保護されました。ホークスのもとで一日休養されたあと、雄英に戻られるそうです。」
セメントスが暗い表情のまま報告にくる
「そうか‥分かった。」
ヒーリングガール保護の報せにその場にいた全員がホッと胸をなでおろした
泣きながら抱き合うもの
固く拳をぶつけ合うもの
それぞれが歓喜に湧く中
隣にいた爆豪がチッと大きく舌打ちをしてソファに身体を投げ出した
緑谷はへなへなと床にへたり込んで
轟もその横に座りこむ
その顔には安堵と怒りが入り混じったような複雑な表情が浮かんでいた
そんな生徒達を寮に残し
警官に話を聞く為外へ出た
「ホークスのもとで休養‥と言うことは全くの無事、なんてことはなかったって事ですね?」
無事であればいいと心の底から願ってはいたが
そんな都合のいい話があるはずもないと分かっていた
「命の危険はありませんでした。しかし‥‥」
眉間に皺を寄せてその先を言い淀む姿に嫌な予感が的中した気がした
「荼毘か‥」
「荼毘‥‥及び死柄木、両名により執拗な陵辱をうけたとの報告が入っております‥」
「っ‥」
「また‥危険薬物に指定されている薬の反応あり。恐らく裏のルートで仕入れた薬によってそういった行為をせざるを得ない状況に追い込まれた模様です。」
「そうですか‥‥ありがとうございました」
「いえ‥こちらこそご協力ありがとうございました」
警官も険しい表情のまま深く頭を下げると
引き続き捜査を行う為にパトカーに乗って帰っていった
「ふざけやがって‥‥」
嫌な予感はしていたが
前回よりもさらに酷い報告に吐き気がした
またも守れなかった事実に息が詰まりそうで
目の前がグラグラと歪む
「相澤先生っ‥先生は今日帰って来られるんでしょうか?」
「物間‥‥今日は帰って来ないが明日には雄英に戻るそうだ」
「そうですか‥」