第55章 人間オークション
ーー1番GR、人間(ヒューマン)オークション会場。
「……」
「ミーウ、ここは?」
シャボンディ諸島に着いた後、水神海賊団の買い出し班とホテル予約班はシャボンディパークへ行って数時間遊び、ミーウはアユナたちと別れた。そして、70番台GRに向かう途中で、ウルージとキラーの戦闘を建物の屋上から眺めていた。その後、70番台GRに行ってホテルを予約し、再び1番GRでアユナたちと待ち合わせをした。
「……ここは、人間オークションの会場よ」
「人間オークション?」
アユナとミシュラ以外の船員たちは声を揃えて、ミーウの言葉を繰り返した。
「それはつまり……人間を……競りにかけるってこと……か?」
「スレイジさん、そんな非人道的なこと……」
「スレイジの言う通りよ」
あまり感情を表に出すことがないユイが信じられないという様子で、目を大きく見開いた。
「この島に入る前に言ったでしょ? この島では奴隷の所有が海軍の沈黙の元、許可されているのよ」
ミーウはただ真っ直ぐ、人間オークションの会場を見ている。
「……胸糞悪ィとこだな」
「本当だな。雰囲気だけで、吐き気がしてくる」
ショウラとケイトは腕組みをして、会場を睨んでいる。
「ケイト……大丈夫?」