第54章 13人の超新星
ミーウたちがシャボンディ諸島へ上陸した数時間後、13番GRにある『シャッキー’s ぼったくりBAR』という看板が立て掛けられたお店の前には数人の人がいた。
「店はやってるみたいだな」
1人の男がそのお店のドアを開けた。
「レイリー、シャッキー」
お店の住人であろう人の名前を呼びながら中へと入る。
「ニュ?」
中の様子を見て、その男は瞬きをした。ーー店の中では大男を1人の女性が殴っていたのだ。
「いらっしゃーい。なーんにする?」
女に胸ぐらを掴まれた男は呻き声をあげている。それにも関わらず、扉を開けた男はその女に笑顔で手を挙げている。
「あら? もしかして、はっちゃん? 久し振りねー!」
男を見た瞬間、女は先程までの怖い顔はどこかに消えてしまい、嬉しそうな笑顔を見せた。
「ニュー! ご無沙汰してんなー、シャッキー」
照れ臭そうに頭を掻きながら、男はシャッキーと呼ばれた女に近付いて行く。
「そうよ。もう10年振りくらい?」
「……」
お店の中に一緒に入った5人のうち、大きな獣のような男とその男に担がれている少女、その後ろに立っているヒトデはお店の中を見て言葉が出なかった。ーー血を流しながら床に倒れている数人の男を見てしまったから。