第43章 あなたと交わった夜
「ちょっと! エース!」
ミーウはされるがまま、エースに自分の部屋まで運ばれた。そして、ベッドの上に降ろされる。
「……ちょっと、質問に答えてよ」
エースはミーウの上に覆い被さった。
「何だ?」
「……今日だけ私の心が欲しいって……どういうことよ」
ミーウはエースの体を押しながら聞いた。
「そのまんまの意味だ」
エースはミーウに顔を近付けた。
「だから、それが……」
ミーウは言葉を紡ごうとして、エースに口を塞がれた。
「ん……んっ……」
(息が……)
呼吸が止まる。胸の鼓動が響き渡る。
(長い……!)
ー息ができない。苦しい。ーーいつもどうやって空気を吸っていたのか忘れてしまう。頭が回らない。
呼吸ができず、思わず口を少し開ける。その瞬間を逃すまいと、彼の舌が口の中へ入ってくる。
「ひゃっ!?」
舌の感覚に驚いて声を上げ、顔を背ける。
「背けるな」
エースはミーウの両頬を両手で掴み、自分の方へと向けさせる。そして、すぐにまたキスをする。
「……っ、口開けろ」
彼の言葉に抵抗するように、ミーウは口をムッとさせる。
「……」
エースはミーウの胸へと手を伸ばした。
「なっ、エース!」