第35章 夕焼けの意味
キッドはミーウと戦った後の2日間、日中は1人で部屋でぼんやりしていて、ろくにご飯を食べていなかった。
夜は布団に入っても眠らなかった。ーーと言うよりかは、眠れなかった。寝ると必ずミーウと過ごした昔の夢を見るため、なかなか寝付けれなかった。
そんな様子のキッドを見て、船員たちはとても不安に思っていた。
そのため、キッドは船医に呆れられながら、睡眠薬をもらって眠っていた。
キッドと船医はその間、少しだけお話をしていた。
「頭、大丈夫ですか?」
「……何のことだ?」
キッドは毎度毎度1番最初に同じことを聞いて来る船医に内心イライラを募らせながらも、とぼけたフリをして返事をしている。
その度に船医はため息をついた。
「いい加減にしてくださいよ。あんたの様子が普通じゃないことくらい、誰にだってわかる」
「……チッ」
キッドは舌打ちをした。
「何で眠れないのか、それは頭が1番わかっているはずですよ」
船医は素直に話そうとしないキッドに睡眠薬を渡した後、必ずその言葉を言っていた。
「……それぐらい、わかってる」
キッドは毎度不機嫌になりながらも、睡眠薬を服用し布団に潜って眠っていた。ーー寝る前は必ずミーウのビブルカードを見て、ミーウの生命力を確認してから。