第35章 夕焼けの意味
ミーウたちが島に滞在して3日目、キッド海賊団と戦って2日が経過した。アユナとキラー以外は特に何も起こっていない。
水神海賊団のログは明日で溜まる。しかし……。
「……」
スレイジはベッドで眠っているミーウを見つめた。ーーミーウはあの戦いで倒れてから、1度も目覚めていない。
「ミーウ……」
ミーウはそもそもキッドとの戦いによって怪我を負ったのに、それに加えて、キッドの怪我を自分の身に移したのだ。ーー酷い怪我でないはずがなかった。
(何で……)
ー何でお前はあんな奴に、こんなことになるのをわかっていて移し身をしたんだ?
「何でだよ、ミーウ。……教えろよ」
スレイジは自分が何もしてやれない悔しさとミーウへの想いに対する辛さで胸が傷んだ。
(おれは……お前が好きなのに……)
ーお前は……。
「スレイジ」
スレイジは声のした方を振り返った。
「……どうした? ケイト」
「客だ」
ケイトは目を細めて答えた。ーー目の奥が怒っている。
「客?」
スレイジは怪訝そうに眉を寄せてから、思い当たったように目を見開いた。
「まさか……」
「今、甲板にいる」
スレイジはその言葉を聞いて、甲板に走って行った。