第28章 “見聞色”の覇気
トーダが仲間になって、次の日。
「トーダ!」
ミーウは船の甲板の角に片膝を立てて座っているトーダのところに走って来た
「……何だ?」
トーダはニコニコと笑って、自分を見ているミーウを見上げた。
「明日になったら次の島に着くから、必要な物を考えといてね」
トーダは眉間に皺を寄せた。
「必要な物? そんな物、おれには何もない……」
「何言ってんの!」
ミーウは腰に手を当てた。
「服も新しいのがいるし、身の回りの物もたくさんいるし……いる物ばっかでしょ!」
ミーウは怒った顔をして、トーダを睨んだ。
「わたしたちに遠慮なんてしなくていいから! ちゃんと欲しい物があったら言ってね!」
ミーウは先程までの顔を崩して、優しく笑った。
「わたしたち、もう仲間でしょ?」
ーだから、そんな硬い態度なんてとらないで。
トーダはそれを聞いて、困ったように……けれども、優しく笑った。
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