第23章 島に伝わる噂
ジウが仲間になってから、4日が経過した。
「ミーウ!」
スレイジが焦った様子で、甲板でミシュラを枕にして昼寝をしようとしていたミーウを呼んだ。
「何? スレイジ。どうしたの?」
「次の島にはあとどのくらいで着くんだ?」
スレイジはミーウの目の前に片膝をついて座り、ミーウの肩を揺すりながら聞いた。
「どのくらいって……う~ん、2時間くらいかな?」
「そうか」
スレイジはほっとしたように笑った。
「どうしたの?」
「ん? あァ」
スレイジはいつも逆立てている髪の毛を掻いた。
「アユナが食材が全部なくなったって泣きそうな顔してたから……急いでミーウに聞きに来たんだよ」
「……そう、なの?」
「え、あァ」
ミーウはため息をついた。
「そんなに気にしなくてもいいのに……いざって時は海王類がいるんだし……」
それを聞いて、今度はスレイジがため息をついた。
「アユナはお前に無茶をしてほしくねェんだよ。それくらい分かれ」
スレイジはミーウのおでこにデコピンをした。
「ッ、いったー! 何すんのよ!」
「お前がそんなこと言うからだ」
スレイジはその場で胡座をかいた。
「心配かけるようなことするな」
スレイジは怒っているような、でも心配しているような顔をした。
「……ごめん」
ミーウは困ったように微笑んだ。