第20章 慕われる人間
クユンを仲間にしてから、3日が経った。水神海賊団の船は穏やかな海の上を航海している。
「ミーウ」
ミシュラが自分の部屋で本を読んでいるミーウを呼んだ。
「何?」
「島が見えたぞ。ちょっと小さいが、必要な物資の調達くらいはできそうだ。上陸するだろう?」
ミーウはそれを聞いて頷いた。
「ちょうど、本が欲しかったの。アユナも医療物資がほしいって言っていたし……。クユンも船を修理するための木材がほしいって。だから、島に着いたら各自自由行動にして、時間になったら船に戻ってくるっていうのでいいと思う」
「わかった。船番はおれとスレイジがやろう」
ミーウは笑った。
「ありがとう。助かるわ」
ミシュラは頷いて、ミーウの部屋をあとにした。
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