第3章 心に負った深い傷
ーー荒れ狂う炎の中で、1人の女性と1人の少女が床に座っている。
「ミーウ……行きなさい!」
「嫌……」
ミーウは何回も頭を横に振った。
「ミーウ!」
ミーウは顔を上げて、目の前の人を見た。涙で滲んで顔がちゃんと見れない。
「ミーウ……約束して。わたしの代わりにあの人に会って……お願い……」
ーーこれが最期のお願いだから……。
「……」
その人はミーウを優しく、だけど力一杯強く抱き締めた。ーーこれで彼女に会うのが最期になるとわかっていたから。
「ミーウ……大好きよ。愛してる」
ミーウは泣いた。その女性にしっかり抱き付いて。
「泣かないで、ミーウ。生きて。辛くても、何があっても……生きて」
ーー生きていれば……必ず良いことがあるから。
ミーウは女性を見ながら大きく頷いた。
「いきなさい……ミーウ!」
ミーウはもう一度大きく頷いて、アユナとともにミシュラの背中に乗った。
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