第1章 光
ーー子どもが産まれました。名前は……。
ーーミーウ。あの人が去り際にそう言ったの。
ーーミーウ。キルリレ・ミーウ。いい名前ね。
ーー海にいる海賊のように自由で明るく……でも、人の命の重さ、大切さ、そして……儚さを知っている子になりますように。あの人はそう言っていたわ。ねえ、メアリー。
ーー何?
ーーあの人の願いが叶うかしら。
ーー叶うわよ。
ーーこの子はこれから先、歴史の中に隠された真実とこの子に与えられた運命とそして……罪と向き合うことになるわ。それでも……。
ーーそれでもこの子は大丈夫。だって、この子は光。この世界を救う光であり、太陽でもあるのよ。
ーーそうね……あの人とわたしとあなたを救ってくれた人と……そして……あなたの血を受け継いだ子。
ーーだから、大丈夫よ。ーーお母様。
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