第13章 タカシ
私は、玄関を開けてタカシを家に入れてはダメだと言われていたにも関わらず、家に入れてしまった。
その結果、またレイプの様にグチャグチャにされセックスしてしまった。
その後、私は本気でタカシと別れようと思っていた。
タカシは直樹の存在も知っていた。
それは、このうえなく当然の事だったと思う。
私は、直樹の元に帰ろうと思っていた。
やはり、結婚するなら直樹しかいないと思ったのだ。
前夫の翔とはもうやり直せる状態ではなかった。
翔とは遊び友達で良いとさえ思えるようになっていた。
タカシを家に入れたあの日から数週間が経っていた。
私からも、タカシからも連絡をすることはなかった。
私は、ある意味これでタカシとの関係は終わるものだと思っていた。
だが、違っていたのだ。
また、そんなある日の土曜日の夜の事だった。
私は週末をひとり静かに動物たちと共に過ごしていた。
この日も、寝ようと思いまたキッチンに行き冷蔵庫からミネラルウォーターを出して薬を喉の奥深くへと入れて流し込んだ。
部屋の灯りを消し豆球だけを灯した。
ベッドに潜り込み、徐々に眠りの森に入ってゆこうとした時だった。
またしても、我が家の玄関のチャイムが鳴らされたのだ。
もしや、またタカシだろうか。