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愛欲と追憶の日々

第2章 居酒屋



「ママ、ただいま~」
「あら、おかえり。今日は早いのね」

「あぁ、今日は土曜日だからな、仕事も早く終わったんだ…」
「そうなの、で、いつものでいいのかしら?」

「あぁ、いつものでいいよ…」

そうママに話すと作業着姿のその男はテーブルに腰かけて座った。
私はその男を見ると、一瞬で好きになってしまった。

その男こそが、タカシだったのだ。
タカシは殆ど他の客とも話などしなかった。

もちろん、私とも会話などはしなかったのだ。
私は、タカシを見ながら焼酎の水割りを飲み、ツマミで頼んだ鮭のハラミを食べていた。

私は、タカシと話したくなり自分から声を掛けてみた。
果たして、私と話してくれるだろうか。

「今日は仕事帰りなの?」
「あぁ、仕事帰りだよ…」

「仕事は何をしてるの?」
「え?仕事か?建設関係だよ…」

そう、タカシは私に話してくれた。
ちょっと、かなり嬉しかったのは言うまでもなかった。

そうか、タカシは建設関係の仕事をしているのか。
私はそれを聞いて作業服を見て納得してしまった。

今日は土曜日だと言うのに、店にはお客が余り来ていなかった。
タカシはボトルキープしておいた焼酎を飲んでいるらしかった。

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