第8章 嫉妬
そう言うとタカシは驚いている様だった。
「そいつとはヤったのかよ!!」
またしても、激怒してこう言ってくるのだ。
タカシは翔に嫉妬しているのだとこの時私は気が付いたのだ。
私はまだ、タカシから好きだとも付き合いたいだとも言われていなかった。
なのに、何故、こんなことを言うのだろうか。
そう、思ってしまったのだ。
「彼とはセックスレスでヤってはいないわよ…」
「本当かよ、嘘じゃないよな?」
「ええ、本当よ…」
そう言うと、少し落ち着いたのかタカシはアルコールを飲み始める。
タカシは私の事が好きなのではないか。
その時、やっと気が付いたのだった。
だが、タカシは絶対に好きだとか付き合ってくれだとかを言わない。
そんなタカシを見ているとちょっとおかしくなってしまうのだった。
タカシは私の肩を抱き寄せて、キスをして来た。
そのキスは煙草の味がして苦かった。
キスをし終わるとタカシはまた煙草に火をつけて吸い始める。
吐き出した煙が私のところまで漂ってきた。
煙草を灰皿に置くとタカシは私の身体をベッドへと押し倒した。
私は、両腕を強く握りしめられ、ベッドに押し付けられた状態にされてしまった。
「これから、愉しいことしようぜ…」