第7章 前夫
私は、前回の事があったのでそう聞いたのだ。
「いや、必ず行くから待ってろ…」
「分かったわ、気長に待ってるわ…」
私は、半分しかタカシの話しを聞いてはいなかった。
そんな電話のやり取りをした後に、前夫の翔からLINEが届いたのだ。
もう、その当時LINEはすでにあり、殆どの人はLINEを使っていた。
LINEにはこう書いてあった。
「明日の夜、真帆の家で鍋食べたいんだけど…」
(明日の夜か、タカシが来るって言ってたけど多分来ないだろう…)
そう、心の中で呟いた。
そして、私は翔にこう返事を書いた。
「うん、いいよ。お鍋しよう。何鍋がいい?」
「やったね!!水炊きがいいなぁ…」
「水炊きね。分かったわ…何時頃に来るの?」
「6時ころに行くよ…」
「迎えに行かなくていいの?」
その当時、私と翔は週末になると私の車を使って外食に出掛けていた。
もちろん、支払いは翔が全て出してくれていたのだ。
なので、毎回アルコールを飲む翔にとって、私はいいドライバーだった。
今回も、私が迎えに行かないといけないのだろうか。
そう、思っていたのだ。
だが、翔から来た返事は違っていた。