第2章 初回Therapy
「女性に思う存分キモチ良くなって愉しんでもらって癒されて欲しいの。私は少しそのお手伝いをするだけ。
でもご希望で時間いっぱいまでこの部屋で一人で愉しんでいるお客様もいるわ。愉しみ方は自由よ。」
「――――ど、どんなお客さんが来てるんですかっ!?」
「いろんな女性が来るわよ。貴女の様な年代の人も来るし、学生さんもお子さんのいる方も。あとここは秘密厳守だから名前は絶対に言えないけどテレビによく出ている有名人の方も!」
(えぇっ………)
「予約と予約の時間は空けているから決してお客様同士で顔を合わせることもないのよ。ましてや盗撮したり盗聴することも絶対にありません。お薬を使ったりもしないから安心してくださいね。」
穏やかに包み込む様に微笑むRanさんなら信用できる―――様な気がした。
だけど…………
「どうしますか?施術していかれますか?」
「えっ!?いえっ、大丈夫です!!」
私は即答した。
いくら普通の女性が通って来てると聞いてもやっぱり私には別世界………だと思った。
「興味本位で来てしまっただけですっ!ごめんなさいっ、ホントにっお時間とらせてしまって、お邪魔しましたっ!」
「いえいえお気になさらず、またいつでもいらしてくださいね。」
私は逃げる様に部屋を、マンションを後にした。
帰り道、すれ違ったオシャレなお姉さん、電車の隣の席で眠ってしまった子供を撫でているお母さん、駅のポスターで白い歯を見せて笑う女優さん――――
(このヒト達の中にもオナニー、一人エッチしてるヒトいるのかなあ………)