第2章 初回Therapy
昨夜はどうやって帰って来たのかまったく覚えていない。
ベッドの脇に散らばっているバッグの中身の中にタクシーのレシートがあった。
(ユウさんが乗せてくれたんだな……あーあ、迷惑かけちゃった。)
拾い上げたレシートの下にくしゃくしゃになったピンク色の紙を見つけた。
(これ…………)
昨夜の記憶が蘇った。
「やだ!私、こんなの持って帰って来ちゃった!」
私はピンク色のショップカードをビリビリに細かく千切ってゴミ箱に棄てた。
熱いシャワーを浴びて冷凍庫にあったアイスクリームを食べたら、だいぶ気分はスッキリしていた。
(ふ〜、今日は土曜日だしゆっくりしよ。)
クッションにもたれ掛かった時、スマホが鳴った。
着信は…………さやか。同級生だ。悪いコじゃないんだけど少しおせっかいで無神経なところがある。
あまりいい話じゃなさそうだが無視したら無視したで面倒なので一応出てみる。
――――予感は当たった。