第5章 Therapy4回目
――――「今日ご希望が特になかったら施術着はこちらで選ばせていただいていい?」
バスルームから出てロープ姿の私にRanさんは言った。
「は、はいっ!おまかせしますっ!」
「ありがとう、施術着はベッドの上にご用意してあるから着替えたら呼んでくださいね。」
(え!?、今日の「施術着」ってこれ?)
何とか身に着けた私は施術室(セラピールーム)の中からノックしてRanさんを呼んだ。
「ご準備できましたね?レイナさん。」
入ってきてRanさんはいつものロングドレスではなくグレーのスーツ姿だった。長い髪は後ろでまとめて黒縁のメガネを掛けていた。
「ふふふ、ビックリした?
今日はレイナさんとお勉強しようと思って私も雰囲気出してみたの。―――今日は『先生』って呼んでね?」
「は、はい……先生。」
そう応えた私が纏っている施術着は――――――