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【雑多】be there【短編集】

第28章 【ヒロアカ】Who killed Cock Robin【3】







今それ関係ある?とホークスは心の中で思ったが、爆豪の言う通りでもあった。
いつまでも待っているだけでは何も変わらない。
それどころか、最悪のケースしか待ち受けていない。
救助を待つにしてもそれがいつ来るかもわからない。
ならば、少しでもここから出られる手掛かりを探した方がまだ有意義ではある。

「とはいっても、上鳴を探したとき教室は全部見て回ったぞ」
「てめぇらが探したのは教室やトイレだけか?音楽室や理科室、視聴覚室、放送室は探したのか?」

放送室。
その言葉に、ホークスたちは目を見開いた。

「あのクソ音楽が流れてんだ。なにかしらの細工はされてんだろ」

なぜ今まで誰も気が付かなかったのか。
それほどまでに思考の余裕がなかったのかもしれない。
もし、ここから出る糸口があるとしたら……。

「確かめに行こう」
「はい!!」
「流石だな、爆豪」
「ったりめえだろ!!」

彼らは足早に放送室へと向かった。

結果から言ってしまえば、変わった様子など一つもなかった。
いや、正確にいえば放送室の扉は鍵がかかったままで中に入る事ができなかった。
"個性"が使えるのであれば緑谷のワン・フォー・オールで簡単に壊すことが出来ただろうし、爆豪の爆破で破壊する事も容易かっただろうし、ホークスの剛翼で鍵を開けることだってできただろう。
しかし何度も言うが、彼らは今"個性"が使えない。
その為、扉を開ける手段を持ちあわせてなどいなかった。

横目で爆豪を見る緑谷は、普段であれば悪態をつくであろう彼が大人しいことに驚いた。
想定していた事態なのだろう、冷静な爆豪の姿に頼もしさを感じていたが、鋭い眼光が少しばかり揺れているのに気が付き緑谷は自分の考えが間違っていることに気が付く。




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