第25章 【虎杖悠仁】ときめき
虎杖はにゆっくりと近づいていく。
周りの人たちは何事かとざわめいていたが、彼らにとってそれは雑音にしかならず、いや雑音でもなんでもなくて、ただ今は目の前の大切な人に、ただ一言。
お互いにお互いの顔を見つめる。
言いたいことはたくさんあった。
なんでここにいるの。
なんで教えてくれなかったの。
だけど今はそんな事どうでもいい。
それよりももっと大切な、溢れる気持ちが彼らを支配していた。
「俺、のことが好き」
「私も虎杖のことが好き」
そしては、ウィーンへと旅立った。