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氷が溶けるまで。【中原中也】

第3章 すれ違う思い。


「さん。」

名前を呼ばれ、目を開ける。

『あ、敦くん、、、。』

無事地上に着いていた、直前に敦くんが虎に変身してくれたようだ。

『ご、ごめん!重いよね、、、。』

「あっ!!!す、すみません!!今下ろします。」

そう、お姫様抱っこをされている状態だった。

敦くんに下ろしてもらって、中也たちの元へ向かおうとすると、空から何発もの銃弾が降ってくる。

その1発が敦くんに向かってきている。

咄嗟に身体が動いた。

バンっ!

敦「ハっ、、、。さんっ!!!」

『っく。だ、大丈夫だから、早く人形を太宰さんへ、、、。』

敦「でも!!」

『行って!!敦くんだけが、今ヨコハマを救えるの!お願い、、、』


敦「判りました、助けを呼んでおきます。」

彼は走り去った、腹部を抑えるも出血が酷い。

持ってあと数十分ってとこだ。

後悔はしていない、敦くんは敵組織である私を連れて逃げ出してくれた、あの人形を届けれるのは敦くんだけ。

太宰さんの手に届けば、Qの詛いは収まる。

中也が生きてくれていればそれで十分だ。

だけど、やっぱり一目でもいいから中也に逢いたかった。

意識が朦朧とし、目をと閉じる。

"っ!"

微かに聞こえる中也の声。
幻聴だろうと思っていた、然し何度も呼ばれる。

『ちゅうや、、、。』


「っ!!!」

抱き上げられる身体。
微かに香るタバコと甘い香水の匂い。
見てなくても判る。


『ちゅ、うや。逢いたかった。』

「俺もだ。しっかりしろ、すぐに運ぶ。」

今云わなくちゃ、もしかしたらもう二度と伝えれないかもしれない。

中也の腕を掴む。

『中也、好きだよ。遅くなってごめんね、、。』

中也に想いを伝えたあと私はそのまま意識を飛ばした。

「な、なに云ってんだ!おい、!しっかりしろ!」




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