第15章 守りたい
『太宰さん、、、首領や福沢さんは、、、?』
太宰「全員無事さ、勿論中也もね?」
『善かった、、、、。』
安心した。
少しの間沈黙が続いた。
口を開いたのは太宰さんだった。
太宰「ちゃん、君の本当の異能力を黙っていてすまなかったね。でも、これだけは判ってて欲しい。森さんや中也が秘密にしていたのは君を守る為だ。」
『守る為ですか、、、?』
太宰「うん、もし昔の話をしてちゃんが記憶を戻してしまったら、辛い記憶まで戻ってしまうからね。君をこれ以上傷つけたくなかったのだよ。それに"氷の再生"は力を使いすぎると記憶を失ってしまうのだよ。」
『それって、、、、』
太宰「そう、ちゃんは私たちと出逢う前の記憶がない。力を使ったせいだ。だから中也は君に力を使わせたくないんだよ。ちゃんを大切に思っているから。それは君のご両親もさ。」
涙が溢れ出した。
フョードルの言葉を信じた自分が莫迦だった。
判ってた、中也も首領も私を大切にしていてくれたこと。
なのに、、、、私は、、、
太宰「ちゃん、ご両親は君を守ったんだ。命懸けでね。そして君を中也と森さんに託したんだよ。」
"君のせいじゃない"
太宰さんの言葉が心に響いた。
私は決意をした。
『太宰さん、私もっと強くなります。強くなって大切な人を守ります。』
太宰「ふふ、谷崎くんから聞いたよ?中也たちを足止めしたんだって?」
『はい、少しだけですが、、、』
太宰「ちゃん、君がよければの話だけどもう少し探偵社にいないかい?」
『え、、、?』
太宰「社長や国木田くんは武術の達人だ、十分ちゃんは強いけど、もっと強くなれると思うよ?どうだい??」
そんなの決まっている。
『はい、お願いします!私強くなります。』
私は強くなる、強くなって守るんだ。
大切な人たちを、、、。
愛している人を。
太宰「ふふ、さぁ戻ろうか!探偵社に、、、、」