第15章 守りたい
太宰「うん、善い感じだね!」
福沢「うむ。」
『ありがとうございます。お二人のおかげです。』
太宰「ふふ、ちゃんが頑張ったのだよ。」
太宰さんはそう云い乍ら私の頭を撫でる。
探偵社へ出向してからあっという間に1ヶ月が経った。
福沢さんと太宰さんのおかげで力の制御、コントロールがある程度出来るようになったのだ。
福沢「、1週間後ポートマフィアへ戻っていいぞ。」
『はい、本当にありがとうございました。』
福沢「鍛錬を怠らずに努力をした主の力だ、よくやったな。」
の頭を撫でる福沢の顔はまるで父親のようであった。
太宰「ふふ、そろそろお迎えが来る頃だね。ちゃん上がっていいよ!」
『ありがとうございます。お先に失礼します!』
の後ろ姿を眺める太宰と福沢。
太宰「社長はちゃんのご両親を知っているんですか?」
福沢「ああ。志が高く、弱きものに手を差し伸べる素晴らしい方だった。彼女の目は父親によく似ている。」
福沢はの父親、雪平とは顔見知りであった。
弱きものに手を差し伸べる彼を見て、探偵社を立ち上げたと云っても過言ではない。
彼はをとても愛していた。
彼女の成長を誰よりも楽しみにしていた。
然し、その夢は無惨にも打ち砕かれた。
森がを養子にした時は驚いたが、雪平と森が友人であることは知っていた。
おそらく雪平自身がを森へ託したのであろう。
森が幼女趣味であることに不安があったが、は美しく立派に成長したので安心した。
福沢「先生も安心しているであろう。」
福沢はとても優しい眼差しをへ向けていた。