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氷が溶けるまで。【中原中也】

第14章 髪飾り


「んっ。」

目が覚めると、隣にいたはずのの姿がなかった。

パンツだけ履き、慌てて寝室を飛び出す。

『おはよ、中也。』

は台所で朝食の用意をしていた。

そういや、昨日は晩飯も食わずにを抱き潰したんだった。


「はよ、。」

の後ろへとまわり込み、抱き締める。

『もう少しだけ待っててね』

「ああ、美味そうだな。」

『美味しくできてたらいいな。』

「手前が作るもんはなんでも美味い。」

『ふふ、中也はほんと褒め上手ね』

「手前にだけだ。つか、事実だしな。」

こんな他愛のない会話も好きだ。
この生活が永遠に続いて欲しいものだ。



今日は互いに非番だ。

本当のことを云えば、再びとベッドで愛し合いところだが、今日は天気も善い、久しぶりにデェトでもしよう。

「今日は久しぶりにデェトしようぜ」

飯を食い乍らをデェトに誘う。

『えっ!いいの?』

俺の言葉に嬉しそうな顔で答える。

「ああ、どっか行きてぇとこねぇか?」

『海、、、見たい。』

「いいぜ!」

昔のは何処へ行きたいか聞いても、何処でも善いとしか答えなかったのに、最近は俺にだけは自身の意見を云ってくれるようになった。

それが嬉しくて仕方がない。


『おまたせ!』

「すげぇ似合ってる。」

目の前のは白のワンピースを身に纏っていた。

やはりは白が善く似合う。

『ありがと。』

少し顔を赤らめ乍ら嬉しそうな。

その顔が可愛いすぎる、今すぐ抱きたい、、、。

そんな欲を抑え込み、の手を取る。



「行くぜ、可愛い姫様。」




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