~たゆたううたかた~【禪院直哉/R-18/短編集】
第4章 カゴノトリ番外編 ~水辺の離れ Calme~ 【禪院直哉】
しばらく休憩して…
一緒に…身体を綺麗に洗って。
専用の温泉は源泉かけ流しだから
いつでも…温泉に浸かれるから。
また…一緒に…直哉様と
温泉にゆっくりと浸かって。
お部屋に用意されていた
温泉浴衣に着替えて。
お部屋に…用意されていた
冷たいウーロン茶を飲んで水分補給する。
今は夏だから…まだ外は明るくて
大きな窓からは久美浜の海が見えている。
ゆっくりと…リビングのソファで
寛いでいると…お部屋の電話が鳴って。
今から本館の方からお夕食に
お迎えに来てくれると言う事なので。
お手洗いを済ませて、迎えに来てくれた
送迎の車に乗せて貰って。
目と鼻の先の距離にある…本館に移動する。
車で1分の距離…とは言うが、
どうしても乗り降りに時間がかかるので
それを入れると…本館から離れまでの
移動の時間は正味3分と言う所だろうか。
お食事処は…全5室の客室と
離れであるカルムの分の全6室の
個室が…用意されていて。
自分達専用の個室として…、
そのお部屋ごとにお食事処の
個室が割り当てられている様だった。
お食事処は掘りごたつ席になっていて
個室の大きさも広すぎず
狭すぎずな感じの広さだった。
お部屋の入口はそれぞれの個室に
別の柄の暖簾が掛けられて居て。
個室のある大きな窓からは
外の景色を楽しむことが出来る。
まずは…木の桶に入った
活きた白イカを見せて貰って
この生きている透き通ったイカを
今から…捌いて持って来てくれるのだそうだ。
『今まで…食うとったイカは
イカちゃうかったんかって、
思うほど…めっちゃ美味いで?』
直哉様は…地酒の飲み比べ
セットを注文していて。
地元のお魚を…華やかに
盛り合わせた大皿の
お造りの盛り合わせは…
沢山あしらいにお花がちりばめてあって
お花畑みたいな盛り付けになっている。
地元で水揚げされるウニに、
ぷりぷりの大きな岩ガキ。
高級魚とされているアコウに
上品な白身にサヨリに…、
何より…珍しいと思ったのが
鮮度が良くないと出来ない
トビウオのお刺身…。
これが…凄い美味しくて…
甘くて…身の弾力もあって…。