• テキストサイズ

~たゆたううたかた~【禪院直哉/R-18/短編集】

第5章 ごっこ遊び 【禪院直哉】



瑠璃光院は写経体験が出来る書院の
2階のある写経机に反射する
紅葉が絶景だと人気のスポットで。

今のこの時期は青紅葉が楽しめる。

実物の青紅葉と、机に反射した青紅葉で
インフィニティプールならぬ
インフィニティ青紅葉になっていて。
新緑の今だからこその…、
若々しい葉の青さを…楽しむことが出来る。

『ホンマの紅葉のシーズンも
ここは人気あるけどな?
この景色は…今しか見れへんし…。
緑一色も…悪うない思わへん?』

凄い…素敵…過ぎて…
言葉を失うと言うのは…
こう言う景色の事を言うんだなって。

「はい…とても…素敵…です…」

書院の1階からは…苔の庭を
眺めながらお抹茶を頂く事が出来て。

その苔の…緑もまた、
青紅葉とは違う美しさがある。

「素敵な…苔のお庭…ですね…」

この苔のお庭は『瑠璃の庭』とも
呼ばれていて…光の加減で
お庭の苔が瑠璃色に
見えることがあるのだそうだ。

『ほな…、次のトコ…行こか?』

そう声を掛けられて、
瑠璃光院を後にして車に乗り込んだ。
車で南に30分程移動して、
伏見区にある藤森神社に着いた。

『青紅葉もええねんけど、
6月なんやし…紫陽花でも
ちゃんと、見よか思て』

紫陽花のシーズンだが…平日だからか
混雑も目立たず…色とりどりの
紫陽花の花を眺める事が出来て。

『静かで…良い所ですね…。
紫陽花の…花も…綺麗に咲いてて」

『最近は…暑い日が多いから
紫陽花もはよ咲くみたいやで?』

京都には…沢山紫陽花の名所はあるが
落ち着いて紫陽花を楽しむことが出来た。

『さて、そろそろええ時間やね…
昼でも…祇園に食べに行こうや』

祇園の辺りは…直哉様が
贔屓にしてるお店も多そうだ…。

紫陽花が綺麗な藤森神社から
車で15分ほどで祇園にある
祇園 又吉だった。
お昼のランチも完全予約制のお店で。
ミシュランガイドで星2つを
獲得している名店だ。

門口の格子戸を開けると
入口まで石畳が続いていて、
石畳の上を歩いて入口の暖簾をくぐると
その中には凛とした和の空気が漂っている。

雰囲気のいい専用のお庭を
眺めながらお料理が楽しめる
こじんまりとした個室に案内される。

/ 136ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp