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つよがり いいわけ かわいい子【HQ】

第3章 つよがり いいわけ かよわい子



夜久との濃厚な4日間を過ごして数ヶ月。
直接会えない日々は寂しいけれど、お互いの生活の隙間にテレビ電話やメッセージアプリなどを利用し、顔を見たり声を聞いたりはできていたのでそこまで寂しいとは思っていなかった。

それに、声を聞くたびに好きだという気持ちを伝えてくれる夜久のことを信じているから、不安も感じることがなかったし、会いたいなんてわがままを伝える気もなかった。

ーーーーー

「え、納期が1ヶ月後…?」

突然言われた納期に頭が真っ白になった。
急に立ち上がったプロジェクト、普段は数ヶ月で行う案件が…1ヶ月…?
何かの間違いではないか、そう聞き直したが部長は苦い顔。

「クライアントが他社の横暴なやり方に耐えられなくなったらしい。それでギリギリだがうちにお願いしたいと泣きつかれて上がOK出したみたいだ。椎名さん、今大きな案件は持ってないよね。よろしく頼む。」

よろしく頼む、ということは私に全てを丸投げ。残業ありきで納期までやってのけろとの無茶振りなのだ。
今までもそうだが、同じポジションの人たちに比べて明らかに無茶をやらされることは多い。
理由?今のところ思い浮かぶのは性別と独身だということ。ああ、パワハラやセクハラになりそうな案件に口を出したからかもしれない。もしかしたら無意識に嫌われるようなことをしでかしたのかもしれない。
まだまだ男尊女卑が根強い上層部からの圧にため息を吐きながらチームメンバーのスケジュールを確認すると、そのまま会議室の一つに召集をかけた。

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